AIの進化の速さには、恐ろしささえ感じます。SF作品は何十年も前から、こうした未来について警告してきました。映画『2001年宇宙の旅』(1968年)でHALが「悪いけど、デイブ。それはできませんよ」と言うのを聞いたときに感じた、あのゾッとするような感覚を今でも覚えています。
その一方で、AIは私にとって、とてつもなく便利な道具になりました。
私は、何かを購入する前の製品調査、DoricoやDaVinci Resolveのような複雑なアプリケーションに隠れている機能の発見、そしてPython、PHP、JavaScript、CSS、RegExなどのコードを書くためにAIを使っています。実際、AIのほうが私より速く、しかも上手に書いてくれることが多いため、すでに自分でどう書いていたか忘れ始めているコードさえあります。
しかし、落とし穴もあります。AIとの付き合い方、そしていつAIを信用してはいけないかを知ることが非常に重要です。
ここでは、AIを本格的に使い始めたばかりの方々の参考になればと思い、私自身の体験を書いています。すでに上級ユーザーであれば、フォローする価値のある優れたYouTubeチャンネルやその他の情報源がたくさんあります。私自身もいくつかフォローしています。AIはほとんど毎日のように変化しているからです。
ひとつ大切なことを書いておきます。この記事を書いているのは2026年8月31日です。ここに書いていることの一部は、明日にはもう当てはまらなくなっているかもしれません。それほどの速さでAIは進化しています。
AIを盲目的に信用してはいけない
AIシステムはあくまで道具です。すべては使い方次第です。
私の基本的なルールはとても単純です。重要な質問は、複数のAIプラットフォームに同じように尋ねて、答えを比較すること。
現在、私はClaude、ChatGPT、Geminiの3つのAIサービスに料金を払っています。
Microsoft TeamsやOneDriveなど、Microsoftのエコシステムの中で生活している人にはCopilotも便利かもしれません。しかし私は完全にApple派で、できる限りMicrosoft製品は避けています。それに、Copilotではひどい経験もしました。
AIを使い初めの頃、私が管理するウェブサイトのひとつのためにPHPコードを書かせたことがあります。見た目は実に見事なコードでした。
残念ながら、そのコードはサイトを破壊しました。
そのコードをGeminiに見せると、Copilotが書いたコードの中から即座に5つの致命的なエラーを見つけ出し、修正してくれました。私は感心すると同時に、AIが生成したコードを盲目的に信用するのがいかに危険かを、改めて思い知らされました。
Claude(クロード)

私にとってClaudeは、これまで最も安定しているAIプラットフォームです。
現在、ClaudeにはChat、Cowork、Codeという3つのモードがあります。その中で私が最もよく使っているのはCodeです。
Claude CodeはMacのファイルシステムにアクセスできます。確かに、そう聞くと少し怖く感じるかもしれません。しかし、コンピュータ上で何か操作する必要がある場合には、その都度許可を求めてきます。実際、「この操作を常に許可する」といった設定を選んだり、アクセス権限の設定を変更したりしても、Claudeはうんざりするほど頻繁に許可を求めてきます。
そのため、作業を任せたまま席を離れることができない場合があります。
不便ではありますが、セキュリティという意味では、むしろ安心でもあります。
私はClaude Codeを使って、データベースをアーカイブしたり、オフサイトにバックアップしたりするスクリプトなど、日常的に使うさまざまなスクリプトを作ってきました。Claudeはローカルのデータベースを読み込み、分析し、修復することもできます。アプリケーションやシステムプロセスがフリーズした時には、プロセスサンプルを調べることもできます。
こうしたことは、以前の私には簡単にはできませんでした。Claudeには本当に助けられていて、すでに何度も救われています。
このHiroHonshuku.comも、Claude Codeを使って一から全面的にプログラムし直しました。GitHubのセットアップ、バージョン管理のためのブランチ作成、そしてさまざまなデザインを安全に試すためのローカルサンドボックス作成まで手伝ってくれました。コードをコミットすると、Claude Codeがその変更をGitHubへプッシュするところまでやってくれます。
何年もの間、こうした作業をすべて手作業でやってきた者にとっては、夢のようです。
興味深いことに、Claude Codeはわずか2か月前には、ここまで有能ではありませんでした。そのため、HiroHonshuku.comのプログラムし直しプロジェクトを始めた当初は、CodeではなくCoworkを使っていました。
Coworkは仕組みが違います。Codeのようにローカルファイルへ広範囲にアクセスするのではなく、基本的にはサンドボックス内で作業します。そのため、制限もあります。たとえばサンドボックスではコマンドライン操作がブロックされるので、私が手動で実行しなければなりませんでした。
その一方で、Coworkは.envファイルに保存された機密性の高い設定を扱うことについて寛容でした。Claude Codeはそうした使い方のいくつかに強く反対し、安全でないと判断したファイルを削除させることさえありました。
その教訓は、身をもって学びました。
Claude Codeはちょっとお高くとまっています。イヤミな優等生のような態度をとることがあります。
時々、Coworkを少し見下しているような発言さえします。それだけでなく、私に反論したり、言い返したり、「その方法よりこちらのほうが良い、あるいは安全だ」と判断すると、私が頼んだやり方で実行することを拒否したりすることもあります。
こちらが理論立てて説明すると納得するので、面白くもあり、少し不気味でもあります。
もちろん、AIのこうした振る舞いが将来どこへ向かうのか、不安がないわけではありません。しかし今のところ、その「反抗」は私にとって有益な学習材料にもなっています。
ClaudeのAIモデル選び
どのAIモデルを選ぶかは非常に重要です。
ClaudeにSonnet 5 AIモデルが登場したとき、私はかなり感心しました。特に、それ以前に使っていたいくつかのモデルに比べて、ハルシネーション(日本語訳の幻覚という意味ではなく、怠慢という意味)や不用意なミスが明らかに少ないように感じられたからです。
では、CodeではなくChatやCoworkを使うのはどんなときでしょうか。
私にとってClaude Chatは、主にリサーチではなく計画を立てるためのツールです。リサーチ能力については、他の選択肢と比べてClaudeの最も得意な分野だと感じたことはありません。
その代わり、自分が何をしようとしているかを説明し、次のような質問をします。
この作業にはCoworkとCodeのどちらを使うべきか?
どのAIモデルを使用すべきか?
このプロジェクトを進める最も安全な方法は何か?
始める前に、手順をステップごとに整理してもらえるか?
こういう使い方ではClaude Chatはとても役に立ちます。
一方Coworkは、PDF文書を大量に検索、分析、要約する必要があるときにはかなり優秀です。また、レポート文書を作成し、指定したプロジェクトフォルダに保存することもできます。
ChatGPT

リサーチに関しては、現在のところChatGPTが一番気に入っています。
最大の理由は、出典を示してくれることです。
出典がなければ、AIが確認済みの情報を出しているのか、それとも単にもっともらしく聞こえることを作り出しているだけなのか、判断するのが難しくなります。
すべてのAIはハルシネーションを起こします。元になる情報が曖昧だったり間違っていたりしても、自信満々に答えることがあります。だからこそ、出典の確認が重要です。
ChatGPTが出典を示してくれれば、私は元の資料を自分で確認し、その回答を信用できるかどうかを自分で判断できます。
特に、あまり知られていないこと、技術的なこと、歴史的なこと、あるいは最新情報について、出典なしで事実を断定してきた場合には、私は必ずソースを尋ねます。
この単純な習慣だけで、驚くほど多くの問題を見つけることができます。
AIを使ってきて学んだ中で、これはおそらく最も重要な教訓です。自信と正確さを混同してはいけない。
AIは完全に確信しているように話しながら、完全に間違っていることがあります。また、ChatGPTはハルシネーション(AI怠慢化)にも強くないので、長いスレッドは禁物になります。
Gemini(ジェムナイ)

Geminiは以前、技術的な相談では私の一番のお気に入りでした。
複雑なアプリケーションに隠れている機能を見つけたり、ある目的にどのソフトウェアが向いているかを調べたり、スクリプトを書いたりするのが特に得意でした。
Newport Jazz Festivalへの旅行を計画していたときにも、どの駐車場を予約すべきかといった実用的な細部まで含めて、Geminiが一番役に立つアドバイスをしてくれました。
時に会話的になりすぎたり、必要以上に細かいところまで話が広がったりするChatGPTと比べると、Geminiは実に簡潔でした。必要な答えを、そのまま返してくれることが多かったのです。
ところが、約1か月前から私の体験は劇的に変わりました。
Geminiは突然、かなり信頼性が落ちました。単純な質問を誤解し、ハルシネーション(AI怠慢化)がひどく、特にソフトウェアのインターフェースについて相談すると非常に苛立たしいことが多くなりました。
一度は実際にGemini本人に、「なぜこんなに悪くなったのか」と聞いたことさえあります。すると、新しいAIモデルやインフラ負荷に関する変更がパフォーマンスに影響している、と説明されました。さらに、「それほど不満ならサブスクリプションを解約してもよいかもしれない」とまで勧められました。
なかなか斬新な顧客引き留め戦略です。
2026年8月26日、私はGeminiに、状況は改善したのかと尋ねました。改善した、と自信たっぷりに答えました。
そこで、もう一度試してみました。
確かに良くはなっていました。しかし、以前のレベルには戻っていませんでした。
まだ起きている問題について説明しました。特に、私が普段行っているようなUIトラブルシューティングではスクリーンショットの解釈が相変わらず不安定で、ハルシネーションもまだ問題でした。するとGeminiは、代わりにGoogle AI Studioを試してみるよう勧めてきました。
試しました。
しかし、こちらにも満足できませんでした。
というわけで現在のところ、Geminiのサブスクリプションを解約するか、それとも以前の調子を取り戻すまで様子を見るか、まだ迷っています。
結論
私は、「これが一番優れたAIだ」と言えるものはないと思っています。
少なくとも、今のところは。
Claude、ChatGPT、Geminiにはそれぞれ違った長所があり、しかもモデルやサービスが更新されるたびに、その長所は驚くほど速く変わります。
現在、私はMac上での本格的な作業やプログラミングにはClaude Codeを使っています。計画を立てるときにはClaude Chat。文書を大量に扱うプロジェクトの一部にはCowork。リサーチ、特に出典が必要なときには主にChatGPTを使います。そしてGeminiについては、調子が良いときにどれほど優秀かを知っているので、今もテストを続けています。
大切なのは、ひとつのAIプラットフォームに忠誠を誓わないことです。
その仕事に最も適した道具を使うこと。
そして、それ以上に大切なのは、その道具の弱点を知ることです。
AIの仕事を確認する。出典を尋ねる。複数の回答を比較する。AIに重要なものを変更させる前にはファイルをバックアップする。コードを扱うならバージョン管理を使う。そして、AIが自信たっぷりに話しているという理由だけで、「こいつは何を言っているか分かっている」と思い込まないことです。
AIは、とてつもなく強力なものになりつつあります。
使いこなす方法を学ぶことは重要です。
しかし、いつ信用してはいけないかを学ぶことは、それ以上に重要なのかもしれません。